眺望の良い斜面に建つ2世帯住宅



ホームページでご依頼された方で、4月から着工します。建て替えですが、敷地は2段擁壁のすぐ脇にあり(下からだと6m以上の高さ)現況の家は崖側に傾いており鉛筆が転がるような状態で危険な状況です。

擁壁を造り直す工事を行うと、それだけで1000万以上はかかり、また、その場合は宅地造成ということになり法的にもやっかいです。
また敷地の崖側は一部が斜面になっていて、反対側の道路も4m未満のため一部建築制限がかかり、敷地のうち普通に建築可能な面積は23坪ほどしかとれません。

ご家族は、親夫婦に現在は別に住んでいる子供夫婦とお子さんが住む2世帯住宅になります。当初は3階建てで考えておられたようですが、現状の敷地に建てるのは危険である事と充分な広さが確保できないと思い、崖部分を掘るように削り、地下をコンクリートで基礎を兼ねて造り、その上に木造で2階建てを建築する事を提案しました。

それにより擁壁を造る事なく、安全に敷地を有効活用でき、広さも延べで50坪をとる事ができました。

3層の中で地下が一番広く、1階との間に吹き抜けを設け、斜面側には大きな窓を造り、風が吹き抜ける開放的な空間になっています。

1階と2階の斜面側には大きな窓を造り、そこからは気持ちの良い眺望が広がる家です。




仕様


木造の部分の基本的な仕様は、「杏の木の家」と同じです。シンプルですがハイクラスな性能をそれほど高くなく建築できる組み合わせだと思っています。現状で考えられるベストな方法の一つではないかと思っています。

地下部分の建築費は躯体までで1300万です。これに、上部は同じ仕様の木造が載り地下部分の内装を加えたものが建築費(本体)になります。

また、杏の家もそうですが、床下空間が室内のようになるので、ここに放熱器(温水循環式)を置いて家全体をじんわり暖める床下暖房(床暖房ではない)という試みをしています。床暖房より自然でローコストです。この費用は建築費本体に入っています。


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