Q:
2*4は耐震性・耐火性・気密性が良いと言いますが、在来工法と比較した場合> のメリット・デメリットを教えて頂けないでしょうか?


2*4は、正式には枠組壁工法といいます。

一般的に建築はどんなものでも壁式工法と軸組工法に分かれます。(特殊な構造もありますが)

コンクリートでも壁式と柱梁式(軸組)工法があります。
鉄骨は軸組工法ですが、軽量鉄骨造は壁式(ほとんど2*4と同じやり方)です。
木造では在来工法は軸組みで、例えば、ログハウスは壁式工法です。

軸組みでは線材で形を作って、壁は閉じるためのみに作ります。
例えばマッチ棒で作った箱のようです。構造そのものはスカスカです。ただ、ジョイント部が弱点になります。

壁式は壁が構造体となって、形を形成します。
ペなぺなのボール紙でも、サイコロ状にするとしっかりしますよね。
あれと同じです。

軸組みは形が崩れないように、筋交いや方杖、火打ち、などを入れて補強します。これがきっちり出来てないと弱くなります。
鉄骨造では溶接やボルトでジョイントは剛接合(ぜったいゆがまない接合)にします。
ただ、最近の木造は、筋交いの代わりに合板を張って、2*4のように面構造にする方法もできていています。
筋交いでもきっちり施工できていれば弱いことはありません。

サイコロは、穴を開けると弱くなります。つまり開口(窓)が制限されるということです。日本の基準はかなり厳しいので、カナダに見られるような大きな窓は許されません。

また、部屋同士の区画をきっちり造ってサイコロ状に作ることが基本なので火が廻りにくいという性質があります。

これは、逆に言えば、開放的でダイナミックな(吹き抜けや部屋どうしの区画が曖昧な作り)空間はつくりにくいという事でもあります。多少の吹き抜けは可能ですが。

壁式は壁がサイコロ状に囲っているので気密性を出しやすいという性質があります。
在来工法は、線材が複雑に構成しているので気密を出すには、ちょっとした工夫が必要です。

しかし、これも最近の家は内装をボードで固めてクロスできっちり仕上げているので意図しない気密住宅になっていて、逆に換気がとれていなかったりします。高気密住宅には24時間換気が不可欠です。

断熱として、2*4は壁の中に断熱材を入れやすいのですが、もっと厚い断熱材を入れたいときは2*6のような、もっと太い材料を使う必要があります。
欧米では2*6が主流になっていますが、日本では一部の3階建てを除いて2*6はあまりみられません。

在来工法は、壁に充填する断熱材は結露を呼んだり、充分に断熱できていなかったりする事が従来はありました。
最近では充填式も改良されてきたのと、外断熱工法など断熱を単純にできる工法なども開発されています。