基本仕様
在来木造工法において、これまで試みてきた耐震性能・高断熱等にかかわる
実績のあるアイテムをご紹介します。
【基礎】
まず、必ず地盤調査を行います。提携している地盤調査会社ではかなり安い値段で
サウンディング調査ができるのと、
地盤保証保険を掛けられるのでこれは必須です。
改良判定が出れば、当然地盤改良を行なう会社が保証しますが、改良が必要なしと
出た場合にも保証がつきます。
基本的にはベタ基礎を使います。また、単なるベタ基礎ではなく立ち上がりが切れる
箇所では地中梁を入れるなど、
配筋方法もRCと同じ考え方で設計します。
これはうちでは木造でも必ず構造計算をするので、基礎部分もその要求にしたがった
性能を求めるからです。(通常はベタ基礎でもかなり簡易なものが多いのですが)
これにより、不同沈下や地震に対する基本的な性能を担保します。
どんなに上部構造を固めても基礎が悪かったら意味をなしません。
※地盤が非常に悪い場合は、杭+布基礎が経済的な場合もあります。
基礎断熱+床下暖房の組み合わせは好評です。
これは、床下空間を断熱して温水放熱器を設置するやりかたです。
以前は石油温水器だったのですが、現在はガスの給湯器から温水を供給すること
もできるようになりました。
床暖房と違って床自体が熱くなることはなく、家全体が自然に暖まります。
※基礎断熱は、関東以南ではシロアリ対策の為に基礎の内側に施工する
などの注意が必要です。
【構造体】
在来木造は、梁や柱の先端を加工してつくる仕口で接合していきます。
しかし、昔の古民家などのように太い材料がない現在、12cm角程度の細い材料では
引き抜く力に耐えられません。
その為に、外側から金物で補強します。この金物が非常に重要になります。
最近、この接合部に
ジョイント金物を使う方法が普及してきています。
ジョイント金物を使うことにより、仕口が必要なくなり、
柱の断面を削って耐力を低下させることなく緊密に接合できます。
金物がほとんど見えないという意味で見た目もよく、また
結果的に耐力が向上している
ことが実験で証明されています。
これは省力化にもつながるのでこれからの主流になるでしょう。
注意点としては、基礎の精度を要求されることです。
これは、プレカットという工場出荷時に金物が既につけられており、それは水平垂直に
組み上がった事が前提になっているからです。
従来の基礎精度の感覚では微妙に歪んでいて、上棟時に梁が入らないなどという事が
おきます。
施工精度が高い仕事ができる職人が必要です。
また、梁と柱は基本的には集成材となります。
それさえうまくいけば、金物ジョイント工法はお奨めです。
構造用合板で、床と壁、屋根下地まで構成します。
壁は基本ですが、床と屋根も重要です。従来、床は柔床といって構造体ではありませんでした。
しかし、ボール紙でできた四面体の箱(サイコロ)を想像したいただきたいのですが、
4面に壁があるとボール紙の箱でもガッチリします。
それと同じように
床に剛性をもたせた剛床とすることで、家の耐力は向上します。
床の構造用合板は28mm(壁は9mm)の厚合板を使用するネダレス工法を使っています。
【断熱】
外貼り断熱は内断熱(充填断熱)に比べると構造が単純、で躯体内結露の危険も
ほとんどない方式です。
施工も単純で性能は良いです。
これまで採用することが多かったのですが、若干の不満もありました。
それは、壁厚が厚くなること、屋根が二重垂木になって複雑化することでした。
最近、あたらしいアイテムで出てきたのは
ウレタン現場発泡の断熱材です。
壁の中に液体を吹き付けるだけで自己発泡して気密充填します。
断熱性能は高く、躯体内結露の心配もありません。
外断熱よりリーズナブルですので、予算配分によっては推奨ものです。
基本的にはウレタンをガス発泡させるものが主流ですが、アイシネンという柔らかい
変成ウレタンで水発泡のものもあります。
【サッシ】
ペアガラスの断熱サッシはちょっと前まではかなり高いものでしたが、
最近はペアがあたりまえになってきました。
さらに様々な機能性ガラスも出てきているので場面に合わせて使えます。
・Low-Eガラス
Low-Eは断熱性能が高いガラスです。
・熱線反射ガラス
太陽の熱線を通さないので、夏場の温度上昇を防ぎたい場所に
適しています。
・防犯合わせガラス
プラスチックのフィルムを挟んだガラスで、割っても穴が開きにくい
ガラスです。性能によってグレードがあります。
ただし、焼き破りには効果ありません。
・耐熱強化ガラス
防火地域で窓に網を入れなくてはいけない地域でも、網を入れなくて
すみます。窓の網があると邪魔な窓に使います。
【内装材】
無垢フローリングは一般的なメーカーでとると、結構高いです。
しかし、いくつか輸入フローリングのメーカーがあって、そこを
いつも使っています。(結構安い)
合板のフローリングは長年使うと、どうも安っぽく傷んできます。
しかし、無垢材ですと味わいが出るようになります。どうしても汚くなったら削って
直すこともできます。
無塗装品+自然塗料は自然な感触が好きな方にお奨めです。
ただし、水染みなどがおきやすいのでナチュラルな内装で傷が味に
なるようなスタイルがいいでしょう。
塗装品は、あらかじめウレタン塗装がされているのでモダンでタイト
なスタイルがいいかもしれません。水には比較的強いです。
壁はクロス、塗装、漆喰などご予算に合わせてできます。
注意する点として、
塗壁は補修がきかないこと、巾木周辺が空いてくること等です。
小さいお子さんがおいでの家庭ではご注意ください。
【ルーフテラス】
木造であっても大きなルーフテラスがほしいというご希望はよくあります。
通常はFRP防水でできますが、
2プライ(2層)にしたりして万全を期します。
(10年保証はつきますが)
しかし、非常に大きくなったり、屋根を屋上として使いたいとなると、やはり
FRPでは躊躇します。
最近、そのような場所でも使える
金属板防水が出ています。
ガルバリウムに近い鋼板にコーティングしたものと、ステンレス鋼板のものと
2種類あります。
これだと、対候性能も充分な歩行屋根が可能です。
使い道としては、屋上にして太陽光パネルを置くとか芝を貼った
屋上緑化に
することも可能です。
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スカイプロムナード
【3階建て】
3階建ては在来工法ではいろいろ制約が大きくなり施工も難しくなります。
特に1階に大きな空間がほしいとか、ビルトイン・ガレージが必要な場合
は本当は不可能に近いです。(よく危ない3階建てを見かけますが・・・)
その為、3階建ての場合はSE工法を使う事が多いです。(施工例は別ページ参照)
木造の準ラーメン構造であるこの工法により、開口が大きく、自由にとれ
なおかつ地震に強い家にすることができます。
3階建てであれば鉄骨より安くなります。
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SE工法