基礎の形ってご存知でした?


以前調査を頼まれた家は築30年以上経っている家でしたが、最大で10cm床のレベルが下がっているくらい傾いていました。これは不同沈下と呼ばれるもので、基礎が地盤にめりこむことによりおこります。この家はごく普通の都内の古い住宅地に建っていましたが、それでも地盤はあまりよくなかったようです。

そして一番の原因は基礎にフーチングがなかったことです。フーチングとは布基礎の断面図で逆T字型になっていて左右に張り出している部分です。通常、布基礎は割石を敷き詰め、捨てコンクリートを打って、その上にフーチング付の基礎をつくります。

このフーチングが基礎の沈み込みを防止するのです。ちょっと昔の家ではフーチングを造っていない家が意外に多かったです。また鉄筋が入っていない基礎も昭和56年以前はほとんどです。



 地盤の良し悪しによってフーチングの大きさはかわってきます。

通常地盤(地耐力5t/u以上)

弱い地盤(3t/u〜5t/u)

それ以下の地盤

フーチング巾36cm以上

フーチング巾45cm以上

ベタ基礎、くい基礎
             ※ フーチング厚12cm以上。G.L(地盤)よりの立ち上がり30cm以上
 高耐久住宅の場合立ち上がり40cm以上
            

布基礎の全体概念図


布基礎をきっちり造るのは手間がかかります。また床下からの湿気やシロアリ・ねずみをシャットアウトするには床下に土間コンクリートを打つのが一番です。防湿シートだけだと湿気やシロアリを防止できなく、防蟻剤は健康にもよくありません。

最近ではベタ基礎にする事が多いです。べた基礎は地震、不同沈下、防湿、防虫等に優れた性能を発揮します。
ただし、地盤が非常に悪く地盤改良や杭が必要な場合は、布基礎にしてその下に杭を設置するなどしたほうが、経済的で支える重量も少なくなるなどのメリットもあるので、きちんとした構造設計が大事になります。